レオポルド・ロペスよりベネズエラの母達への手紙
CARTA A LAS MADRES VENEZOLANAS
EL UNIVERSAL 2014年5月11日
この3ヶ月間不当にラモベルデ軍刑務所の独房に監禁されている、反政府派リーダーのレオポルド・ロペスの手記。
ベネズエラの若者たちは今街頭に出て、この息詰る現状に対し抗議し希望を持てる将来の国のために闘っている。我々は一人ではない、何百万人という人々が共に街に出て心から応援してくれている。そうだ一人ではないのだ、各人に母親という最大のインスピレーション、最高の勇気が一緒だからである。一人の若者に一人の母親があり、無条件の母子愛があるからである。我々は残酷な独裁主義者に抑圧され迫害にあい、また資格を奪われ投獄され、さらに理由なしに殺された者の証人である。道理を持たぬ政府からの回答は暴圧である。しかしそこに母親がいる。たとえば国警備隊に殺害されたジェラルリン・モレノの母親ロサ・オロスコは苦しみの中、こう証言した。
「ベネズエラ中の母親へ言いたい。私が娘を応援したように自分の娘・息子たちを応援して欲しい、私は恐れない、我々は恐れてはいけない」 と。
母の日の今日特に、子供たちのため休みなく働く全ての母親に、より良いベネズエラのために青春の全てをかけている何百万という若者の夢を育ててきた母親へ尊敬の意を表したい。
2000年5月チャカオ市長に候補していた僕に、父方の祖母イイタはこう言った。「母親のことを忘れてはならない。手紙を書きなさい、できたら花も贈りなさい。」
僕はそれからずっと母に花を贈ってきた。しかし不当に投獄されている僕は今日それが出来ない。それゆえ良きベネズエラを建設するために日々愛情を惜しみなく注ぎ、身を削る勇気ある母親たちにこの機会を通して献呈の言葉を捧げたい。
全ての母親に
神の祝福を
レオポルド・ロペス
(訳注)
レオポルド・ロペスが収容されているのは通常は戦時に拘束した捕虜や戦争犯罪を起こした軍人や戦闘員を収容するラモベルデ軍刑務所である。
彼が一日の22時間を過ごす独房は、9㎡の非常に小さな空間。そこにはベッドと洗面台があるだけである。彼はそこで1日の22時間ほどを過ごし、面会が許されているのはごく近い家族と弁護士だけである。神父に告白することも、ミサへ出席することも認められていない。
いつまでこの独房への収監が続くかは全く分かっていない。
ちなみに拷問禁止委員会(the Committee Against Torture)欧州人権裁判所や米州人権裁判所などは独房への収監は期間限定の例外的措置であるべきと明言している。
2014年6月1日更新