ベネズエラはまたもや不況に

Venezuela is in a recession. Again.
2014年8月6日 Anabella Abadi y Bárbara Lira

国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(英語略称ECLAC、スペイン語略称CEPAL)が、2014年のラテンアメリカ・カリブ経済統計を公表した。

この報告書をダウンロードして、まず見てみたのがGDPの成長率の評価についてだ。

CEPALの予測では、ラテンアメリカ・カリブ諸国の中で、唯一ベネズエラだけが2014年は-0.5%のマイナス成長が見込まれているのを見て、悲しくなったけれど驚きはしなかった。この評価は国際通貨基金(IMF)のデータベース(最終アップデートは2014年4月8日)とも一致する。

Cepal GDP 2014

ラテンアメリカ・カリブ経済委員会によれば、「2014年の各地の経済成長が低めに推定されるのは、様々な要因による。あるケース(アルゼンチンとベネズエラ・ボリバル共和国)では、2014年初めの数ヶ月間の数字が近年見られた不均衡の深化を示しており、また、これらの国の国内支出に対する投入可能な資金力に合わせて、国内経済の成長も補正しなければならないリスクが高まっている」ということだ。(おかしいな、彼らは景気後退の原因である反対派の抗議運動と“経済戦争”に言及するのを忘れているようだぞ)*。

*訳注)ベネズエラ政府はインフレや物不足などの原因を反対派の抗議運動や“経済戦争”のせいだとしている。ここでいう“経済戦争”はなんら具体的でなく非常に曖昧なものであり、単に国民に仮想敵(アメリカや金持ちなど)を想起させるためのレトリックである。政府が“メディア戦争”という場合も同様。

私たちにとって気がかりなのはこれらの“数字”である、という点に異論はないはずだ。

最新の記録されている物不足の推定率は30%に達している。物不足の指標についていえば、現在ではこのようなタイプのリークに頼るしかない。というのも、中央政府は今後一切、物不足の指標を公開しないことを決定したからだ。ベネズエラ中央銀行(BCV)のメレンテス総裁の言葉を借りれば「私たちはこの指標が政治的な指標となって一方に利益を与え、他方に害を与えるようなことになって欲しくない」からというわけだ。

2014年6月のインフレ率の公式の数字を今なお待っている最中であるものの、いくつかのソースは5.5%だと主張しており*、一年のインフレ率にすれば62.1%というもの凄い数字になる。去年のベネズエラの56.14%というインフレ率はどうやら世界で最高記録であったようなので、またもやベネズエラは金メダルに輝きそうだ。IMFの推定(2014年4月8日更新)では、ベネズエラのインフレ率は2014年末までには75%に達するだろうということだ。ちなみに、これはイラン・イスラム共和国のインフレ率の24%、スーダンの18.1%を大幅に上回る数字である。そしてこれは、ガソリンの値上がり前のことなのだ。

*訳注)ここで5.5%のインフレ率を主張しているソースというのは、ベネズエラ中央銀行(BCV)と国立統計院(INE)のこと。

そして当然のことながら、ひたすら増加し続けるマネタリーベースのことも忘れてはならない。

ラテンアメリカ・カリブ経済委員会によれば、「2014年の第1四半期の南米経済(ただしベネズエラを除く)において、マネタリーベースは2013年の年末や2013年の第1四半期に比べてはるかにゆっくりと増加している。(…)ベネズラ・ボリバル共和国においては、2014年の初めの数ヶ月でよりいっそう顕著なマネタリーベースの拡大が見られた。第1四半期末までに、2013年末の記録(65.7%)をはるかに凌ぐ年率(89.9%)に到達した。2013年及び2014年の現在までにおけるマネタリーベースの伸び率が劇的に高くなっている主な原因は、中央銀行から国営企業、特にベネズエラ国営石油公社(PDVSA)への貸し付けという形でのかなりの資金流入による」。

そして、 ラテンアメリカ・カリブ経済委員会のベネズエラについての報告書にあるこの金についての引用は見逃せない。「2014年は、景気減退と石油収入の減少が予測されるため、中央政府は財政赤字を出し、中央銀行から国営企業に対して融資が行われることが予想されている。ボリバルでのいくらかの追加収入を生むために金融調整が期待されるが、これらの増収は、全体的な石油収入の減退に対して部分的な埋め合わせにしかならないだろう。というのも、石油輸出による収益の大部分が中国への負債の返済と、エネルギー協力機構ペトロカリベ・プログラムの元で利益を得ている国々からの食糧、その他の日用品の輸入へ当てられるはずだからだ。それゆえ、より多くの赤字は国債による資金調達で補てんされることになるだろう」。

***

ここで、はっきりさせる必要があるだろう・・・

マイナス0.5%の成長率というのは・・・なんというか・・・あんまり現実的じゃない。これはCaracas Chroniclesメンバーの全員が賛成してくれると思う。

ベネズエラ中央銀行(スペイン語略でBCV)に繋がるあるソースは、ベネズエラ経済は2014年の第1四半期で5.5%縮小したと言い、一方で別のBCV関連ソースは4.5%の縮小だと言っていた。私営のコンサルタント会社エコノアナリティカは、2014年の第1四半期を3%の縮小と見積もった。

石油ブームの真っ只中なのだから、もう少し高い(でなければ、せめてプラスの)成長率を期待していたんだけど。希望を持ち続けるしかないのだろう。


翻訳者メモ:
この議論に関してさらに興味のある人は、元記事Venezuela is in a recession. Again.のコメント欄も参考にしてみて下さい。

またベネズエラの不景気の影響の一例として次の記事も参考になります。
「ベネズエラで国際便が大幅減、サッカー海外遠征は苦行」THE WALL STREET JOURNAL.

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