経済危機が意味するのは、来年の選挙でのイカサマである

リッツ・ホテルほどもある超特大の選挙不正

An Election Fraud as Big as the Ritz
Francisco Toro 2014年9月8日

bbaau_acqaahs12先週、ベネズエラ政府は、この国の根深い経済の歪みの是正に専念すると公表した・・・が、この問題を、政府が実際に心配しているわけではない。
経済に関する情報を何も公開しないまま数日が過ぎていることを見れば、これは間違えようがないほどに明らかだ。では、これらは、将来に向けた政治的な文脈において何を意味しているのだろうか?

それは2015年の議会(Asamblea Nacional)選挙で不正が行われるだろう、ということだ。

疑いの余地はない。

ロジックは単純だ。有権者は経済状況に対して非常に敏感である。2012年の選挙の前にチャベス派が消費ブームを巧みに工作するために、極端なまでに打って出た理由もそこにある。人々は物をタダで貰うのが好きだ。そして人々は確実に物が貰えるように政府に投票する。

Dakaの事件*は偶然ではない。選挙の数ヶ月前に人々がより消費を行えるような状況を作り出すことは、選挙で莫大なアドバンテージを生み出す。みんなが“ポピュリズム”と呼ぶやつだ。

訳注*)2013年11月9日マドゥロ大統領は家電量販店Dakaに武装した国家警備隊を送り、店を「占領」、複数店の経営者の他、Dakaの社員500人を逮捕し、「適正価格」での販売を強制した。このため安くなった家電を買おうと人々が店に押し寄せた。

だが、来年の消費ブームを作り出すにしろ、現在の厳しい物不足の状況をただ和らげるだけにしろ、改革に向けて、今年中に何らかの方策を真剣に進めることが絶対に必要だ。政府が、実際に来年の選挙で議席のほとんどを獲得したいと考えているのなら、今ここで改革のための法を整えるチャンスを利用すると考えるのが、理にかなっているだろう。

にも関わらず、先の内閣改造から発せられたメッセージは、今年に経済改革を行うつもりはない、ということだった。

このことが意味するのは、政府は議会の選挙にガス欠状態で臨む、それどころか、さらに混乱した経済、さらにひどい物不足、そして政府の好感度は今よりさらにどうしようもなく下がった状態で、選挙に臨もうというのだ。

中にはこれを、来年、反対派が議会で議席を獲得するチャンスと見る人がいるかもしれない。だが、私にはそれが現実的なものとはとうてい思えない。

ポスト・チャベス政権は、反対派に牛耳られた議会の前では、一年と持たないだろう。そんなこと、当然、彼らだってよく分かっている。だから、当然、そんなことを彼らは起こさせはしない。

私の考えでは、マドゥロは親切にも次のことを私たちに教えてくれている。来年の選挙へ向けての計画ははっきりしている。露骨な脅迫と、これまでよりもさらに悪質な選挙区改変が合わさった、大々的な不正だ。

ここで言っているのは、2013年4月の十分疑わしいが証拠は決定的とはいえないタイプの不正ではない。大規模で、大胆で、誰が見ても赤信号の、このような赤信号の光などには全く興味のない政府によって起こされるタイプの不正だ。それはウガンダのムセベニが行ったレベルの不正、つまり実際は20ポイントも低い得票率でも勝ったと宣言してしまうような不正だ。

これに向かって計画は進められ、大々的に実行に移されていくだろう。かつて目にしたことのないようなレベルの監視、嫌がらせと不正を覚悟しよう。2013年のはただの誘導装置で、2015年には本物がやってくることを理解しよう。

今となってはほぼ伝統となったあらゆる反則だけでなく、それ以上のことが起きるだろう。
毎週毎週、野党候補を買収しようとする現場証拠ビデオが出てくるだろう。
色仕掛けによる諜報活動が行われ、ハニートラップが仕掛けられるだろう。
今まで見てきたのとは別次元の選挙戦が行われるだろう。
PSUV(ベネズエラ統一社会党)の大勝利を伝える以外の、あらゆる世論調査はラモ・ベルデ行き*となるだろう。
今よりもさらに極端なPSUVの選挙マシーンにより、はるかに多くの不正票の入った投票箱が、今よりもっと多くの場所に、もっと公然と設置され、そこでは、未だかつて見たこともないような野党側が送る選挙立会人に対する威嚇作戦が行われるだろう。
さらに度を超えた“投票補助”が行われるだろう。
そして、メディアはこれら全てに対して完全に沈黙するだろう。

訳注*)現在、軍事刑務所ラモ・ヴェルデには反政府野党指導者の一人、レオポルド・ロペスが隔離されている。つまり、マドゥロ率いるPSUVに不利になるような世論調査は、一切公表されることがないだろうという意味。

このようになるか、あるいは何らかの口実を作って選挙の実施を見合わせるか。だが、おそらくこうなる。


翻訳者メモ ベネズエラにおける選挙について

チャベス時代を通じて、ベネズエラの選挙では常に反対派からの不正に対する疑惑の声が上がっていた。しかし、今まではっきりとした不正の証拠は提出されていない。

それでは、ベネズエラにおける選挙は公平かといえば、疑問の余地がある。

というのも、チャベスは、法律を変えたり、既存の法律を濫用したり、一票の格差を利用するために選挙区を改正したり、国家予算を大々的に選挙キャンペーンに投入したり、国営メディアを大々的に利用して、チャベス派に有利に働くような制度を法的に整えてきたからだ。
法律に従って正当な選挙を戦おうとすれば、野党はチャベス派のルールに従い不利な条件を受け入れるしかないのが現状である。

ジェトロのベネズエラに関する2013年度の世界貿易投資報告には次のようにある。

政府は2012年10月の大統領選挙を前に、年金保険料未払いのために年金未受給者となった高齢者や低所得宗の母親を対象とした現金支給の開始、低所得者層へのかぐ突き住居の無償提供など、低所得者層の支持を得る社会開発プログラムを強化した。これにより,政府最終消費支出は前年比6.3%増,それに連動して民間最終消費支出も 7.0%増となった。

この大統領選挙で、チャベスは野党代表のエンリケ・カプリレスに辛勝した。このときチャベスは当時の政府の財政状況を省みず持てる資金の全てを投入して勝ちに行ったと言われる。

2013年の選挙では、マドゥロは野党連合の代表エンリケ・カプリレスに辛勝したが、カプリレスはマドゥロの不正を訴え、数え直しを要求、選挙結果を認めないと宣言した。カプリレスは確実な証拠を掴んだ上で不正を訴えたと考えられていたが、結局、明確な証拠を提出することはなかった。大騒ぎをしたにも関わらず、不正を証明できなかったことに対して、Caracas Chroniclesは厳しくカプリレス陣営を批判した。

また、ここで言及されている「投票補助」とは、チャベス以前からベネズエラにあった制度で、文字の読み書きができない人が投票できるように職員が付き添い投票の手伝いをするというものである。
チャベスはこの制度を濫用し、公務員やミシオネスと呼ばれる貧困層支援プロジェクトの対象になっている人々に、チャベス派の職員が“支援”と称して付き添い、投票内容を監視、反対票を投じることができないよう圧力をかけていた。

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