[独占記事]テレスールのブラック企業体質

Caracas Chronicles独占記事:テレスールは労働者の天国?

teleSUR, the Workers’ Paradise?
A Caracas Chronicles exclusive

2014年12月19日 Juan Cristobal Nagel

telesur

(リークされた5500文字に及ぶメールのスペイン語はこちら、英語はこちら

テレスールが開局十周年にあたる2015年7月に、英語版の衛星放送局を新たに立ち上げ準備を進める中、カラカスとキトの本部は不穏な状況にある。社員の上層部の数名が酷使され、その上に/または、カラカスの中枢組織から追い出されており、さらに賃金格差やシフトスケジュールの不公平、仕事の負担量における不公平が社員の幻滅を招いているのだ。

Caracas Chroniclesは、アルゼンチン人の元従業員”G”によって書かれた非常に長いメールのリークを受け取った。この元従業員Gの主張によれば、彼は不快な労働環境でがまん強く働くことで法外な給料を受け取っていたのだが、突然、追い出されたという。どうやら同様の状況にさらされていた外国人従業員が他にもいるようだ。一方、低賃金で働くベネズエラ人は法外な時間外労働をさせられ、引越しの費用も頼んで借りなければならないような状況にあるという。

このリークメールをCaracas Chroniclesに送ってきたXは、さらに詳細な情報を提供してくれた。彼が言うには、酷使されているテレスールの従業員が問題視しているのは、メディアのコンテンツの企画を立てる際に特有の運営の無能さだそうだ。彼は、繰り返し起こるお粗末な成果や、テレスール全体における低水準のクオリティの管理、従業員の不満が恒常的に無視されていることについて話してくれた。

テレスール・イングリッシュ(TSE)のウェブサイトが立ち上げられてわずか数ヶ月だが、現在もサイトの再構築がかなり必要な状態にある。数百万ドルをかけて作られた旗艦番組が、ユーチューブ上のTSE YouTubeチャンネルで3桁の再生回数を出すことにすら苦戦しており、主要メディアにおける大々的な宣伝費は、素人のPR会社のためにドブに捨てたも同然だ。

このネタが我々にもたらされた事の次第はこうだ。

リークは、ある日突然、この通称Xによってもたらされた。それはGという人物から一部のテレスールの従業員の宛てた長い個人メールで、それは、当然ながらあっという間に拡散された。私はそのメールについて詳しく調べる中で、現在テレスール内部で起きていることを知るために、このXなる人物とやり取りを行うようになった。それにより、XはCaracas Chroniclesと接点を持つこととなった。

Gは明らかに自分のテレスールでの経験を苦々しく思っている。彼は組織での労働環境について不満を述べているし、自分の不当な解雇にも不満を持っている。外国人スタッフに対しては「耐え難い」陰謀を誘発するだけの高額の給料が米ドルで支払われている一方で、地元スタッフは薄給もいいとこ(メールが書かれた当時で月90ドルほど)だという。そのため外国人スタッフは、現地スタッフと話をして、締め切りを見越して二倍努力するよう現地スタッフに要請することを求められているという。

この7月のテレスール・イングリッシュのウェブサイト立ち上げに関しては、どうも大災害の渦中にあるらしい。話によれば、何ヶ月もの間、モバイル用のスクリーンでは画面が正常に表示されないなど、ダメすぎてウェブサポートが悩まされているという。国外向けの立ち上げPRキャンペーンは、ウェブ版でも印刷版も大失敗で、何週間もの間、公開された記事は誤植だらけのままであった。

外国人ジャーナリストたちの問題は、彼らがブラックマーケットで米ドルを換金しているとして非難されたことで頂点に達した。

この観点は、私も予測していなかった。・・・カラカスを拠点とする国際ニュース組織が、外国人のプロフェッショナルで、できればマルチメディア放送の経験がある人を少なくとも数人は必要としていることは明らかだ。そして、そんなプロたちがロンドンやニューヨークやブエノスアイレスでの地位を捨ててまでカラカスにやってくるのは、ボリバルを稼ぐためではないだろうに。

外国人スタッフにとって不都合だったのは、彼らの仕事の契約書が、なんとまぁ!コロンビアで作成されていたせいもある。

「21世紀型の社会主義の意義を誇示する一方で、彼らはゴミのような契約書を作成した。フレキシブルで無効にできる契約書を、南米で最もネオリベラルな国、コロンビアで作成したのだ。こんなことをするような革命など、本当に初めて見た」と、Gは書いている。

新しい英語版の組織のトップは他でもない昔からの我らが強敵Venezuelanalysis.comの創設者であるグレッグ・ウィルパートだ。Xはウィルパートを勤勉で気兼ねしない人柄ではあるが、人々のリーダーとしては「弱い」と表現する。

すぐに、私はXに手紙の件について、そしてなぜよりにもよってCaracas Chroniclesにコンタクトを取ろうと思ったのかを尋ねた。

白状すれば、私はテレスールを見ていない。ケーブルテレビさえ持っていない。Twitterでテレスールをフォローしてはいるが、時々、皮肉をこめてリツイートするくらいだ。言い換えれば、私はこの件に関して公平な立場にはない。

このことについて、私はXに尋ねた。私にメールを書くことに対して不安は感じなかった?

彼はこう答えた。「私はコミュニストです。でも、このメールを書いた人物もまたコミュニストなんです。違いは、彼はこの件を内々にしておきたいと考えていたけれど、私は彼の願いを尊重しなかったという点です。私は世界に対して、テレスールの規範の低さについて知ってほしいと思っています。そして、願わくば、それによってなんらかの変化をもたらしてほしいと思っているんです・・・これはCaracas Chroniclesに対する支持とは無関係です」。

私はXに対してインタビューを始めた。テレスールがそんなにお粗末な状況にあるのはどうして?

「テレスールは質より量を重視しています。それに、21世紀において成功するメディアを作り上げるのに何が必要か理解していません。テレスール・イングリッシュは、世界がまさにオンデマンドのオンライン・コンテンツに向かおうとしている中、2015年7月24日にハイビジョン衛星放送の立ち上げを予定しています。今時の若者は番組放送なんて見ませんし、番組スケジュールを見たりもしませんよ」。

「テレスール・イングリッシュ内にも、もし自由裁量を与えられればテレスール・イングリッシュを成功に導くことができるような、果敢に発言するグループもいます。私の唯一の望みは、この声をあげているグループが、番組のコンテンツや質、戦略面で、カラカスの本社に変化を受け入れさせるだけの影響力を発揮させていくことです。若い人たちは2、30分間も年寄りの学者が講義をしたり他の学者にインタビューしたりするような番組は見ませんからね」。

「テレスール・イングリッシュのスタッフは誰も、テレスール・イングリッシュの特派員と直接連絡を取ることが認められていません。連絡はカラカスのデスクを通じて行わなければなりません。キトでは、オフィスの作業場にはそれぞれ安全な直通電話ボックスが設置されています。このため、カラカス本社がいつでもあっという間に誰とでも通話できるようになっているんです。カラカス本社はコーディネーターとエディターに対して、常時、編集に関する指示と下手に翻訳した内容をメールで送ってきます」。

何日かが過ぎた。私はこの情報をどうするかで悩んでいた。からかわれているのか?もちろん、テレスールはそこそこの質のプロパガンダ・メディアではあるが、この話自体はありがちでネタとしてはパッとしない。興味深い点があるとすれば、テレスールが社会主義革命の労働者の権利を侵害しているという点と、その従業員がCaracas Chroniclesにこのネタを持ってきたという点だろう。

Xがまた返事をよこした。元同僚のFacebookの投稿のスクリーンショット付きだった。その中で、彼女は何の補償金もなしに解雇するなど、テレスールがいかに労働者の人権を侵害しているかについて文句を言っていた。彼女は次のように書いている。

「多分私は、ナイーブにも、ベネズエラに足を踏み入れるまで自分が左翼系の人間だと考えていたのね。何人かの友達が後になって、フランス革命が革命の数日後には国民の頭をぶった切ってたことを思い出させてくれた。ナイーブにも、私は「進歩主義的な」チャンネルで働くことは、右翼系のチャンネルで働くよりも好ましいと思っていた。そして、だからこそベネズエラに引っ越した。でも今は疑問に思ってる」。

私はまたXをつついてみた。彼はCaracas Chroniclesに情報提供することの意味をわかっているのだろうか?

「テレスールでは、多くの人がこれを裏切り行為だと考えると思います。でも私にとっては、これは不適切な経営に人々の関心を向けさせることが重要なんです。私はどんなURLが最初に出てこようと気にしません。ただ多くの人にシェアしてもらって、願わくば、それが組織の刷新につながってほしいだけです」。

私はテレスールの労働契約書がコロンビアで作成されている点について尋ねた。

「融通の効くコロンビア式の契約が、外国人を組織の中で管理し続けるには最善の方法だと感じている人がいます。このことが、従業員の酷使や自然と解雇が起こる原因になっている。でも、カラカスのベネズエラ人従業員も給料は非常に安いんです。それに、ローテーションを組んだシフト制ではなく、多くの人が夜間だけの勤務をさせられています。心身の健康上も最悪です」。

私は彼に表現の自由について質問を始めた。彼は道徳心の強い人のように見受けられた。だから何か共通点が見つかるのではないかと思い、テレスールのような明らかに政府のプロパガンダメディアで働かくことに対して気まずいと感じたことはないのかどうか、彼に尋ねた。

彼の返答を聞いて、私はサルバドール・アジェンデの革命のための左翼系ジャーナリストたちに関する古い格言を思い出した。

彼は言う。

「民間のプロパガンダメディアに支配された世界のおいては、国によるメディアへの介入は必要不可欠です。理想のメディアは、完全に公共のものか協同組合によるもので、いかなる利益団体によっても設立されるべきではありません。しかし、草の根メディアが多様な情報の全体像をつかみえないうちは、大衆のための政府メディアは民間メディアに対する非常に重要な防御手段となります」。

「私たちは西洋の帝国主義やシオニズムの残虐性を暴露するのに、ロシアやイランやキューバのメディアに多くを頼っています。労働者階級や社会運動の声を伝えるために、社会主義政府のメディアに依存している状態ですが、資本の独裁には反対です。私は政府メディアよりは独立メディアを支持しますが、革命が進行中であるかぎり、そして国が現在のような形で存在するかぎり、現実的には、社会主義の公共メディアには果たすべき役割があるのです」。

Xの言葉に私は考えさせられた。メディアの役割に対する考え方について私は反対だが、彼の世界観には共感する所がある。視点はどうあれ、民間メディアは私たち消費者をこけにしているのではないかと感じることが、あまりにも多いからだ。だからといって、公的資金を政府のプロパガンダ目的に使用することが正当化されるわけではない。しかし、内部に報道の質や持続可能な番組を提供について考えている人がいるというのが分かったのは、せめてもの慰めだ。

ここ数日、テレスールはアメリカ合衆国の偽善について盛んにツイートしている。ベネズエラに対して人権侵害を理由に経済制裁を行う一方でCIAの拷問に関する報告書が表に出るなど、アメリカは脇が甘いせいでテレスールに付け入る隙を与えていた。

しかしながら、テレスール自身の偽善についても、同様に問いただされるべきだろう。現地労働者を搾取し、外国人労働者を「ネオリベラルな」労働契約を使って酷使しているテレスールもまた、偽善的と批判されて当然ではないだろうか?

テレスールにこれら全てに関して問い合わせてみたが、返答は得られなかった。

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