中国のマドゥロ

Maduro-in-China
2014年1月9日 Juan Cristobal Nagel

The picture of the week

リチャード・ニクソンが中国を訪れた後、歴史家たちは「中国のニクソン(Nixon in China)」や「ニクソンが訪中(Nixon goes to China)」というフレーズを作るようになった。これらの造語は、イデオロギー色の強い政治家が、敵対する相手を受け入れ、関わりを持つ決断したことでもたらされる思いがけない転換のことを表している。

今週、何の成果も得られずに手ぶらで去ったマドゥロの悲惨な中国訪問を受けて、イデオロギー色の強い政治家が、驚くほど身近な盟友の国を訪れて、拒絶され、手ぶらで追い返されるような状況を表すために、「中国のマドゥロ」という言葉を新しく作るべきだろう。

先週はベネズエラ経済にとっては最悪の一週間で、大統領のファッション*にとってはもっとひどい一週間だった。しかし、中国がベネズエラの破綻を避けるための資金をマドゥロに提供するのを拒んでくれたおかげで、ベネズエラの民主主義にとっては好ましい一週間となったといえる。チャベス体制は崩壊し続けている。

訳注)マドゥロが外遊中に身につけていた黄色と青と赤のド派手なベネズエラカラーのマフラーがやばい、とベネズエラウォッチャの間でネタにされていた。

来週には何が起こるのだろうか。現在の緊迫状態のレベルだけから判断しても、ここ数週間は不安定な状況が続きそうだ。みんな、心構えをしておこう。

では良い週末を。

(免責事項:件の記憶から離れないマドゥロとシリアと彼のマフラーの写真は、実際にはロシアで撮影されたもので、中国で撮影されたものではない)


<翻訳者メモ>

この件に関しては、いくつか日本のメディアでも記事があるので参考に。
[中南米への投資、試される中国の意思 ーベネズエラは資金調達の命綱を得られるのか?](JBPress)

中国は、ベネズエラへのエクスポージャーを増やすことを嫌がっており、新たな信用供与と引き換えに、経済改革や原油へのアクセス増大といった譲歩を要求する可能性が高い、とバークレイズのアナリスト、アレジャンドロ・グリサンティ氏は指摘する。中国はすでにベネズエラ政府に510億ドル貸し付けている。

「中国はベネズエラに多額に投融資を行っており、政権交代の見通しについて懸念している可能性が高い」。ユーラシア・グループのアナリスト、リサ・グレイスターゴー氏は、1月7日にマドゥロ氏が発表した投資は特定のプロジェクトに縛られているようだと指摘しながら、こう書いた。

「資金は、必ずしも政府が輸入や債務返済のために使える使途の自由な現金を意味するわけではない・・・過去の経験に基づけば、これらの取り決めは予備的なものである可能性が高く、実現に手間取るかもしれない」

中国からの紐付きの援助は中国のためのお金であって、マドゥロ政権を助けるためのものではない。ここでマドゥロが十分な資金を得て経済を立て直すことができなければ、ベネズエラ経済は破綻し(今も物不足の悪化など破綻しつつあるわけだが)、マドゥロは政権を追われる可能性が高い。だから、マドゥロは藁をもつかむ思いで、金策のために世界中を飛び回っているわけだ。

マドゥロの経済政策は「石油価格を上げること」なので、次は中東のOPEC加盟国を訪れているようだが、石油価格はそう簡単には上がりそうにない。

産経の[習氏外交始動、中南米に照準、ばらまきで「米の裏庭」懐柔 北京でCELAC開幕]には中国が中南米で盛んにばらまき外交を続けているように書いていたが、今回のマドゥロに対する中国の態度を見る限り、「エネルギー資源の確保が至上命題の中国」はベネズエラの石油開発に投資した分は何がなんでも取り返したいし、それに必要な分は出してもいい、でもマドゥロと共倒れなんてまっぴら、くらいの感じではないかと思う。

ちなみにロイターは今日(1月15日)に「カタールがベネズエラに対して資金提供か」[Qatar may fund energy, other projects in Venezuela: sources]という記事を出していたが、現時点ではまだ検討段階で何の確約もされていないようなので、どうだろうか。

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