マックからポテトが消える?!

あのつぶやきにキャッサバのつけあわせはいかが?
Would you like a side of yuca with that tweet?
2015年1月7日 Anabella Abadi y Bárbara Lira


1月6日火曜日、我々は「彼があんなことをつぶやいたなんて信じられない」という新たなケースに遭遇した。

何が起きたかというと…

マクドナルドがベネズエラでかの有名なフライドポテトの販売を中止するかもしれないというニュースはここ二、三日、世間を騒がせている。マクドナルド社はウェスト・コートでの労働争議が輸出を停滞させていると主張している。実際、日本マクドナルドは2014年12月、同じ理由でフライドポテトの販売を制限した。

しかし、AP通信のハンナ・ドライアーが
書いているように、南米でベネズエラ人だけが
「マックフライドポテトを忘れよう。ビッグマックと一緒にキャッサバはいかが?」
という売り文句を耳にしているのは不思議である。

つまりフライドポテトの輸入は、港の問題なのか、はたまた通貨不足が原因なのかということだ。さて、そこでダンテ・リヴァスのお出ましだ。彼は、日本語に無理に訳すとすれば「ベネズエラの手続きと許可における国家単独権限」(Autoridad Única Nacional en Trámites y Permisología en Venezuelaとでもいうべき組織のツァーリで、政府が繰り返し使うトランプの切札のような人物だ。多くの政府官僚の一人である彼は、三ヶ月といったスパンで省庁を渡り歩く。

そんな彼が、次のようにつぶやいた

“Se acabaron las papa fritas en macdonald q vaina mas buena, bienvenida la turbulencia, ahora a comer yuca frita hecha 100% en venezuela.”

拙訳「マクドナルド社はフライドポテトを切らした。大いに結構。騒動大歓迎。100%ベネズエラ産のキャッサバを食べる時がきたのだ。」

まあ訳するならこんな感じだろうか。悪くないだろう。

さらにダンテは続けてこうつぶやいた(そのあと削除したのだが)

“El que quiera comer importado, como no, que lo haga, pero con los dólares suyos no con las divisas de todos.”

拙訳「輸入食品を食べたいやつはそうすりゃいい。でも国のドルじゃなくて、お前たち自身のドルを使うんだな。」

これで分かっただろう。
フライドポテト供給難が起きているのは、ドルアクセスができないことと直接的な関係があるってことだ。

そこで、ダンテに言いたいことが幾つかある。

まずそもそも、ベネズエラ中央政府によれば、我々ベネズエラ人が消費している食品の少なくとも50%が輸入に頼っているということだ。この数字は、ベネズエラの食品不足が今よりもましで、国内生産も高い水準を保っていたはるか2013年10月にまで遡った場合の数値になる。キャッサバ²は国内で生産されているかもしれないが、ベネズエラ人が口にする10食品のうちその5つは輸入されたものだ。(ちなみに、キャッサバを揚げるために使う食用油はどうなんだ?輸入に頼っているじゃないか。じゃあ、ダンテは我々にキャッサバを生で食べろというのか?)

さらに、輸入食品を食べたいと思うのは、なにも間違ったことではない。私が懸命に働いてお金を稼ぎ、輸入されたフライドポテトとハンバーガーを買いたいと思うのは、私の選択であって誰か他の人の選択ではないのだから。それに、我々はベネズエラ人がどれほど
マクドナルドを愛しているのかを知っている。

大事なことを一つ言い残していた。
この国のドルは国民のドルでもある。我々は骨身を削って稼いだボリバルでもって、自由にドルを買う権利があるし、手に入れたドルを自分の意のままに使っていいはずだ。ベネズエラ通貨の96%は石油の輸出で獲得しているということを忘れてはいけない。そしてそれは、我々ベネズエラ国民の石油だ。そうだろう?

ベネズエラの石油価格は40ドルに達した。国は一層厳しい通貨不足に見舞われることだろう。問題は我々がハンバーガーにフライドポテトをつけて買えるかどうかということではない。むしろ、中央政府が現在の経済危機を解決するために必要な策を講じないということが問題なのだ。高いインフレに、物資難、そして不景気。我々はキャッサバポテト付きのアレパ³さえ作れないかも知れないのだ。

ベネズエラの経済問題はこのフライドポテト問題を遥かに超えた深刻な問題だ。
これは、失敗したシステムの一症状に過ぎない。


〈訳注〉
1) Autoridad Única Nacional en Trámites y Permisología en Venezuela
この組織は2014年9月2日、輸入などにおける煩雑な手続きを単純化させるための機関という名目で設置された。内実はよくわかっておらず不必要な機関であるという指摘もなされている。

2) Yuca (キャッサバ)
マニオクとも。古来から中南米で栽培されてきた芋で、現在では世界の熱帯・亜熱帯地方で広く栽培される。
多量のでんぷんを含む根茎をもつ。中には有毒なものもあり、生では食べられない。
ベネズエラでは茹でたり揚げたり、または粉末にしたものを煎餅状にのばして焼いたカサベ (Casabe)などが多く食べられる。

3) Arepa (アレパ)
トウモロコシ粉で作ったお焼きのような料理で、ベネズエラの伝統的な主食。朝昼晩いつでも食べる。
アレパは本来トウモロコシの粉をひいて作るが、作るのに非常に手間がかかり、通常はアリナ・パン(Harina P.A.N.)という水を加えるだけで生地ができるように調合された商品を使って作る。しかし、ベネズエラでは現政府の価格統制による深刻な物資供給難のために、アリナ・パンの入手困難が続いている。
(2013年にYoutubeにアップロードされた映像:店内に到着したアリナ・パンをめぐって押し合う人々)

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