中国とベネズエラ

xi-jinping先日、WEDGE Infinityに<中国ばらまき外交の限界 経済悪化が深刻なベネズエラを教訓に>と題したコラムがありました。ベネズエラ政府の経済政策のまずさもあるものの、中国に対する負債(この場合は石油)の支払いが外貨不足とインフレに拍車をかけ、物不足を招き、石油価格の急激な下落のためにデフォルトは時間の問題であり、このような状況になったのは無条件に独裁政権に資金を提供してきた中国に責任があるというわけです。

もちろん、中国に対する負債がベネズエラの経済状況をさらに苦しめているのは確かでしょう。でも独裁政権に資金をやみくもに提供したせい?ベネズエラのケースが教訓になる?石油価格が下落してインフレが進み、デフォルトが現実感を増した今になって中国に責任を問うのは、どこかピントがずれていると私は思います。

むしろ問題は、一般的に見た中国のばらまき外交のせいというより、ベネズエラと中国の間で交わされた特殊な取り決め内容による部分が大きいはずです。2012年に票集めに必死で後がなかったチャベス派政権が中国と交わした約束は、しばしば引き合いに出されるジンバブエよりも悪条件だったわけですし。

そもそも、ベネズエラのデフォルト危機が言われるようになったのは、Project Syndicate(プロジェクト・シンジケート)に公開され物議を醸したハーバード大学のリカルド・ハウスマンとミゲル・アンヘル・サントスの記事が発端でした。そして、その後のバンク・オブ・アメリカのアナリスト、フランシスコ・ロドリゲスとハウスマン教授のネット論壇上の応酬で一気に盛り上がります。それまでは(政府がちゃんとすれば)金融危機を回避する策はあるというのが共通の見解だった点は忘れてはならないでしょう。

ちなみに、ロドリゲスは一貫してデフォルトはないと言明していましたが、石油価格の下落によってベネズエラの格付けは下がり、やっぱりやばいかなぁ、というトーンになってきているようです。

確かに、中国は短期的に見ればかなり損しているでしょうし、これ以上損したくないでしょう。中国はベネズエラの汚職体質に長年悩まされているとも言われています。そうは言っても、将来の資源が格安で確保出来るなら、長期的に見れば中国にとってベネズエラはかなりおいしいはずです。

中国にとっては、今後マドゥロが失脚して別のチャベス派政権が成立しようが、野党が勝って反チャベス派政権が成立しようが、石油は手に入るわけです。その際にマドゥロより少しでも有能なトップで経済が立ち直ればなお良しです。

つまり、このベネズエラの危機に際しては、なんだかんで中国の独り勝ちというのが実情ではないでしょうか。

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