ベネズエラの秘境カナイマ国立公園の惨状

エンジェルフォールやテーブルマウンテンのロライマ山で知られる世界最後の秘境ベネズエラのカナイマ国立公園。実は、ここ数年、この辺りでの違法採掘による深刻な自然破壊が特に問題視されています。今月に入り、カナイマの地に住む先住民族であるペモン族の人々が、ついに自然破壊に対して何ら対処しない(むしろ違法採掘の片棒を担いでいるとみなされている)政府に対し、抗議運動を行いました。


カナイマ

Kanaimö
2015年6月9日 Audrey M. Dacosta

三日の間、カナイマの先住民族のコミュニティ(Kanaimö)は カナイマ国立公園の空港の滑走路を閉鎖した。彼らは違法採掘のせいでユネスコ世界遺産のひとつであるカナイマ湖の一部、カラオ川が破壊され大損害を被っていることに抗議したのだ。

このYoutubeのビデオを見れば詳しい状況がわかる。

彼らはマドゥロ、アレアサ、そしてほかの政府の責任者たちに対して、カナイマに来て、現在進行中である国立公園の破壊の拡大を止めるためただちに行動を起こすよう求めている。

ベネズエラ観光のカリスマ、バレンティナ・キンテーロはすぐにこのニュースをツイッターで拡散した。 彼女はまた、ひとめで現地で何が起きているのが分かるような写真も投稿した。大部分の木が切り倒された区域、クレーター、 中には採掘者のゴムボートの写真まであった。

アンドレス・イサラまたツイッターで非難の声を上げた。とはいえ、いつものことながら、彼はチャベス派特有のずうずうしさで、「見てみろ、これは資本主義者のせいだ」と言っていたけれど。

カナイマのあるボリバル州の知事は、実際に、今現在、国立公園内では違法採掘が行われていると話している。

それにも関わらず、この事件で面目丸つぶれのパドリノ・ロペス防衛大臣は、国民に対してカナイマに違法採掘者など全くいない、実は去年の12月にすでに根絶されている、と言ってのけたのだ。自分たちは全然怪しくなんかないですよ!というわけである。

先週の水曜日、 先住民族大臣アロア・ヌニェス、観光大臣*と軍幹部と会談したあとで、カナイマのコミュニティは空港の閉鎖を解いた。

(訳注*) 今年4月、ディオスダド・カベジョ国会議長の妻マルレニィ・コントラレスが観光大臣に就任した。

この会談によって、コミュニティと一緒に可能な解決策を議論するためのワークグループをまた開くことが決まった。

カナイマで今起きていることは、今ベネズエラ中で起きていることと本質的には同じだ。 武装し非常に強い権力をもつ集団、凶悪な地元のギャングのボス、プランと呼ばれる自らのテリトリーを確保しその内部で好き放題しているギャングの親玉、これらの人々が刑務所や「ピースゾーン」鉱山などを支配しているのだ。国家警備隊*は、そんなの知ったこっちゃないという顔で、ただ彼らのために門番をしているだけである。

(訳注*) 本来、国家警備隊は国内秩序の維持のため犯罪捜査や街頭警備の役割を担っている。

国家警備隊は、これらの犯罪者に対抗する人的資源も、兵力すらも持ち合わせていない。むしろ、ほとんどの場合において、これらの違法行為に加担している。どれほど多くのワークグループが立ち上げられ、ディスカッションや「リハビリテーション」が行われ、あるいは 「意識高い系の革命戦士」が息巻いても、この問題には全く効き目はないのだ。

私はチャベス派政権に終わりがきたらベネズエラはどうなるのだろうと、考えることが多い。経済を回復させ、インフラを再建し、メンテナンスを行い、大学を時代に見合ったものに立て直し、殺人数を減らすには、一体どれほどの時間がかかるのだろう。5年か、10年か、20年か。

こんなのはまだ長い時間とはいえないのかもしれない。なぜならカナイマを本来の状態に戻すには、それよりはるかに長い時間、1万年ほどかかるようなのだから。

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