チャベス派は生き残れるか

ラウル・ストークのニューヨークタイムズのオプエド記事で予想されていた通り、選挙で大敗を喫したマドゥロ政府は、すでに生き残りをかけて反撃を開始しています。が、その反撃の対象は必ずしも野党や野党支持者だけに向かっているわけではないようです。

軍部の動きはなし

まず最初に、気になる軍の動きですが、選挙当日は政府と連携して不当に選挙時間を延長していましたが、選挙後、防衛大臣が選挙結果を受け入れるよう求めて以来、大きな動きはみられません。

まずは最高裁から

マドゥロ政府が選挙に負けて最初に行ったのは、現在のチャベス派が多数派を占める国民議会(新国会は来年1月5日より)は最高裁(TSJ)の裁判官12名を新たに任命するというもの。任期は15年。これには伏線があって、選挙前に突然、任期満了まで1年以上残して裁判官がこぞって退職を求めるということがありました。最高裁をより政府の息のかかった確実なチャベス派で固めることで、司法面から議会を押さえようとしています。

ちなみに、HRWの報告で指摘されているように、政府が最高裁に干渉し三権分立の基本を揺るがすことは今に始まったことではありません。

裏切り者を罰せよ

そして、選挙に負けて怒り心頭のマドゥロ政府はチャベス派政党PSUV内の裏切り者の糾弾を始めています。

マドゥロは政府の重要政策の一つである低所得層への住居の提供について、

「来年、50万件の家を建てるつもりだったけど、どうしよっかな。建てられないわけじゃないよ。でも支持してって頼んだのに、みんな支持してくれなかったよね」(大体こんな感じ)

と発言しています。

さすがにこれには、「え、怒りの矛先そっち向く?」と野党支持者も驚きを隠せず、ソーシャルメディアでも大きな話題になりました。よく知られている通り、チャベス派の正当性や大義は貧困層に対する寛容な政策とそれによる貧困層からの圧倒的な支持(これも今回の選挙で過去のことになりつつありますが)に支えられていました。なので、この発言はチャベス派にとっては命取りです。

党内の内部調査も

またマドゥロは野党による票の買収について調査を進めるよう指示しており、それを受けてディオスダド国会議長は政権政党PSUVを裏切った者が誰か内部調査を進めると発言しています。

現在ベネズエラでは自動車の部品不足が深刻で、自動車が一度壊れると使いものにならないという状態なのですが、政府は選挙キャンペーンでタクシー(自動車そのもの)をタクシー運転手に配布していました。なので、タクシーを受け取ったにも関わらずPSUVに投票しなかった人からは一度与えたタクシーの回収を進めるようです。学生には無料でタブレットも配布されていましたが、これも当然、遠隔操作で使えなくしたりするのでしょうか。

人権オンブズマンの任命

さらに、マドゥロ政府は次の人権オンブズマンにレオポルド・ロペスに約14年の実刑判決を言い渡した判事(当然、野党から目の敵にされている)を任命しました。チャベス派の人権オンブズマンが国民の人権を守るために存在するのではないことは周知の事実にしろ、ロペスに対する判決は国連でも問題視されており、このような人物をあえて人権オンブズマンというポジションに付けるのは、野党に対する子供じみた当てつけにしか思えません。

これらの動きは、必ずしもチャベス派の生き残りに有利に働くわけではありません。むしろマドゥロ政府は大敗のショックで我を忘れ、冷静さを失いつつあるように見えるのですが…

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