新国会開会前の不穏な動き(追記あり)

3484_1700546243490517_2537492939950780129_n-500x500あけましておめでとうございます。

2015年のベネズエラは、年の初めには想像もつかなかった国会での野党によるまさかの大勝利で終わりました。が、すでに年末から様々な政治の動きがあり不穏な状況が続いています。クリスマスと大晦日返上で多くの動きがあった事実が、この異様な事態を表しているといえます。

そのため、2016年はとても落ち着いた気分にはなれない不安な年明けとなりました。来週1月5日の新国会の開会を皮切りに、まさに激動の年となるでしょう。

最高裁の問題

選挙後、政府は野党の立法府での権力をけん制するため次々と対策を打ち出していましたが、クリスマス前に政府が22人の野党議員の当選を無効にしようと動いていることが明らかになり、一時、ベネズエラ中が騒然となりました。この時は最高裁がそのような事実はないと否定し、一旦落ち着きました。

クリスマス後、政府は8人の野党議員に対して当選結果に対し意義を申し立て、選挙結果の無効を訴えました。そもそも、チャベス時代の2004年以降、ベネズエラ政府の最高裁での勝率は100パーセントで、司法の独立性などなきに等しいものです。45474件の訴訟において政府が負けた回数はゼロなのです。最高裁はチャベス派政府の言いなりと考えられていました。

結果的に、最高裁は訴えを受けて4議員(野党議員3名、チャベス派政党議員1名)の当選を保留としました。この最高裁の判断を受け入れるならば、野党109議席、チャベス派与党54議席で、野党が議会の3分の2を占める結果は変わりません。このような数字を最高裁が出した意図(あるいは、この数字は政府の誰の意図に従うものだったのか)は不明です。

そもそも、ディオスダド国会議長の指示で先日メンバーが大量に入れ替えられた現在の最高裁は、もはや政府に影響を受けているのではありません。政府によって完全にコントロールされているのであり、政府もそのことを隠していません

そのため野党連合MUDはこの最高裁の結果を意に介さない意向を示しています。

権力の対立

このことが意味するのは、司法府と立法府の権力の対立です。今後国会でどのような法律が作られても、最高裁がことごとくそれに違憲判決を出し、国会はその違憲判決を無視するといったカオスの状態に突入しつつあるということです。

これまで野党がここまで過激な態度に出ることはありませんでした。しかし今回に限っては野党も引くことはできません。状況はそれほど切迫しています。

現時点では、野党連合の戦略はカラカスクロニクルが以前提案した通り、新国会で最高裁のあり方自体を変えるという方向のようです。

MUDが選ぶ新国会議長は誰か

またMUDは新国会の開催前に新国会議長にフリオ・ボルヘスかエンリ・ラモス・アルプを選ばなければならず、それに関連してカプリレス派とロペス派の対立も露わになっています。野党連合は必ずしも一枚岩とはいえないので、これが今後どのように影響してくるのかには注意が必要でしょう。

ちなみに、以前は圧倒的にボルヘス有利だったのですが、現在の切迫した状況を考えると、カプリレス率いる正義第一党のボルヘス(穏健派、良識派)より、レオポルド・ロペス率いる「民衆の意志」をうまく取り込み、民主行動党ADのアルプ(挑発的な発言が特徴で敵味方双方から嫌われている狸親父)が有利のようです。

<追記>1月3日、エンリ・ラモス・アルプが新国会議長に選ばれました。

国会放送の機材がすべて持ち出される

また、(これは年明けに判明したのですが)大晦日に国会放送の機材がすべて国会から取り払われていました。そのため、1月5日には国会放送(AN)はありません。もちろんMUDはすでに対策を練っているのでしょうが…

この国会放送をどうするかは選挙結果が出た直後から一番の争点でした。政府側は国会放送はMUDには渡さないと言い、MUDは何がなんでも国会放送は自分たちが確保すると言っていました。

ベネズエラの国会はチャベス時代からこの国会放送ANしか中継できないことになっていたからです。そして国会放送では、野党から政府にとって都合の悪い発言があると発言内容がカットされるなどしていました。

だからこそ、MUDにとっては新国会で自分たちの発言を国民に向けて広く発信することは最重要課題です。政府側は選挙後にこの国会放送を民営化(実質的には政府ナンバー2のディオスダドが私物化)すると発表していたのですが、大晦日に、機材が一切がっさい撤去されてしまいました。

平和の終わり

クリスマス前にもツイートしましたが、現在の状況は、要は、選挙後にあった平和が終わるということです。政府にはMUDと交渉し、平穏に政権交代を進める意志は全くなく、力づくで自分たちの思い通りにやろうとしています。それに呼応して、ここまで穏健に政権を交代を目指してきた野党も態度を硬化せざるをえなくなっています。

1月5日の新国会の開会に向け、MUDは人々に国会開会に立ち会うよう(つまりは国会前で抗議運動をしようと)すでに呼びかけています。このような中で、1月5日には何が起きてもおかしくありません。人が集まれば緊張は高まり、軍が動く可能性も高く、血が流れる可能性も高い。ですが、それと同じくらい、何も起きない可能性もあります。

状況はかなり不透明ですが、だからこそベネズエラの状況は新年早々、余談を許しません。

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