中央銀行改革、新国会開始、新内閣発足…ハイパーインフレの危機(訂正あり)

新国会開催前の中央銀行の改革、怒涛の新国会開始、マドゥロ大統領の新内閣の発表、さらには最高裁による国会の権力の無効化と、毎日のように大きな動きが続いています。

あいかわらず、世界トップのインフレ率のベネズエラですが、特に中央銀行の改革新内閣の経済担当副大統領の発表により、ハイパーインフレの懸念がリアルなものとなってきました。

中央銀行改革でマドゥロ大統領自らが国会の承認なしに好きなように中央銀行を管理できるようになりました。このやばさについては、ファイナンシャル・タイムズのアンデス地方特派員アンドレス・シパーニの日本語訳記事があるので参考にどうぞ。

4日に公表されたが、日付は先週になっている大統領令は、中央銀行の理事を任命、解任する権限を含め、中央銀行に対する議会の監督権を剥奪する。

「中央銀行に対する完全な大統領裁量権限は、ベネズエラがハイパーインフレに陥るための究極の手段だ」。ベネズエラ人経済学者でハーバード大学の客員教授を務めるフランシスコ・モナルディ氏はこう話す。「憲法で独立した中央銀行が確立されている国にあって、マドゥロは中央銀行を自分自身の造幣局にした」

ベネズエラを襲うハイパーインフレの恐怖
政府が議会の中銀監督権を制限、野党の台頭を牽制か

さらに、新内閣の経済担当副大統領のルイス・サラスがハイパーインフレの危機に拍車をかけていることは疑いありません。この人、マジで、物の価格は需要と供給の関係で決まるのではないと思ってますから。インフレなど存在せず、実は資本主義者が儲けようと勝手に値段を吊り上げてるのだと本気で信じてますから。そして、それを本にまで書いちゃってますから!!!

今の状況は、2002年の野党はによるクーデター前にも匹敵する、ここ十数年ベネズエラがほとんど忘れていた不透明さと言えるでしょう。

2004年のチャベスの罷免国民投票で反対多数でチャベス派の権力安定が確定して以降、問題はあれど、国は安定していました。さらに、チャベス派はこれまで、あくまで憲法や法律に従う(必要であれば、まず憲法や法律を変更して正当性を担保する)という方法をとってきましたが、今それが崩れつつあります。ここ数日のマドゥロ政府の動きは、「建前上は独裁政権ではない」という一線を越えてしまったように見えます。

2002年に比べてさらに悲惨なのは、経済危機が問題に加わっている点です。石油価格は低迷を続け、インフレは加速しつつあります。そして、政治問題に比べ、経済問題の悪化のスピードは何倍も早いという点にも注意が必要です。

そう遠くない将来、マドゥロ政権は倒れるでしょう。このまま維持することは不可能だからです。ですが、それがいつ、どのように起きるかは全く不透明です。

これを書いているうちに新たな政治の動きが。

国会で野党が占めるのは112議席か109議席かでもめていましたが、結局、国会開始日には109議員が宣誓を行い、後日残り3議員が宣誓を行いました。これに対して政府が異議を申し立て、裁判所は国会自体が無効だと言い出します。ついに野党連合は譲歩することを決め、3議員は辞職することになりました。

それが本日1月13日、辞職を認める認めない(辞職を認めないと言ってるのはチャベス派。理由はもともと議員になったこと自体を認めてないのだから、辞職もないというわけ)と、もめた挙句、ようやく辞職が認められました。結局、野党が国会に占めるのは109議席で落ち着いたようです。ただし、これでも国会の3分の2を占めることになるのかは未確認。

(訂正:補欠当選した3人が新たに国会議員になり、この補欠当選した人は野党連合の議員だったので最終的に野党が112議席と書きましたが、私の勘違いでした。)

端的に言えば、ベネズエラの現状は終わりの見えないフリーフォールです。政治的にも経済的にも真っ逆さまに落ちつつあります。この落ち込みがどこまでいくのか。ベネズエラ政府は、これまでも常に「最悪」の記録を塗り替えてきたので、今後もよりひどい政策を出してくるでしょう。ここから長い長い恐怖のフリーフォールが続きそうです。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中