ベネズエラの防衛大臣に、突如、大統領に匹敵しそうな権力が与えられる

さまざまな方面からベネズエラの危機が高まる中、11日、マドゥロ大統領はのっぴきならない物不足対策として、新たな作戦を発表しました。そこでマドゥロ大統領が突然、ウラディミール・パドリノ・ロペス防衛大臣を、ベネズエラの憲法上どこにも存在しない、明らかに副大統領よりも上位のポストに任命し、さらに大統領にさえ匹敵しそうなほどの権力を与えたからさぁ大変。ベネズエラ中がびっくり仰天です。

しかも、与える相手はマドゥロ政府中枢とは少し距離を置いていて近々任を解かれるのではないかと噂されていた人物。軍によるクーデターの噂も根強くあります。

これは一体全体どういうことなのでしょうか?マドゥロは何を考えているのか?これは本当は誰の意志決定によるものなのか?謎は深まるばかりです。が、これが大きな転機になる可能性は十分にあるので、後の記録のためにも紹介したいと思います。


pp5-2

パドリノの動き
Padrino’s Move
2016年 7月12日 Francisco Toro

昨夜、マドゥロ大統領は形勢が一変するような発表を行った。「物不足に対する解決策」としてさらなる作戦(だが実際は、単に政府に今以上の裁量権を与えているにすぎない)を発表する際に、マドゥロは防衛大臣のウラディミール・パドリノ・ロペスがこれより先、通常の防衛大臣ではありえないような、権力を行使することになると発表した。

成功の道はただひとつ、一人の指揮官が統轄することである。諸君、指揮権の一本化だ。これより先、大統領の指揮下とウラディミール・パドリノ・ロペス総司令官の指揮の下で、すべての省庁、すべての大臣、そしてすべての国の機関がGran Misión Abastecimiento Soberano y Seguro(絶対的かつ確固たる供給ミシオン)の国家司令部の指示に従い、完全に従属することになる。この瞬間から。すべての省庁が。

この新たな計画には、そう、形容詞をいくらでもくっつけることができそうだ。

「前代未聞の」というのがある。
「明らかに憲法違反な」というのもある。ただ、これは最近では言うまでもないことだが*。
「奇妙な」というのもしっくりくる。指揮権「一本化」の発表なのに、その内容は全員が2人の異なる上司に報告することなのだ。こんなことがあるのはベネズエラくらいだろう。
それに「クーデターっぽい」?確かに、これは「クーデターっぽい」。

訳注* ここのところマドゥロ政府の憲法違反は目に余るものがある。大統領罷免手続を新たな制度をでっち上げて妨害する選管、憲法の内容をありえないほどに曲解した判決を連発して野党が多数を占める議会を潰そうとする最高裁、インフレ率など重要な情報を公開しない中央銀行など、チャベス派に仕切られているあらゆる機関が、憲法違反を犯している。実際、この点について米州機構はベネズエラ政府を厳しく批判している。

当然のことながら、細則についてしっかり吟味する必要があるだろう。だが、一見したところ、マドゥロは、パドリノ・ロペスを憲法のどこにも記載のないでっち上げの新しい職に任命し、その職は明らかに副大統領よりも上位にあり、その権力はほんのちょっと大統領の権力を下回るだけということだ。

これが起きたのは、パドリノ・ロペスは解任されるだろうという予想が広く飛び交っていたにもかかわらず、マドゥロが予想に反してロペスを防衛大臣に据え置いたわずか数日後のことだ。そしてこれが起きたのは、メルスコールがベネズエラが交代制により議長国となることを見合わしシティバンクが中央銀行とベネズエラ銀行の口座の停止を通告した日でもある。
#ベネズエラあるある

これはマドゥロ退陣に向けた一連の動きの始まりなのだろうか?今日にも進めようと行われてきた調停の努力に対して、これはどのような意味をもつのだろうか?これは、昨年12月6日の議会選挙の夜、選挙結果を待つ間にPSUV(ベネズエラ統一社会党)のパワーゲームに水を差した*のと同じパドリノ・ロペスなのだろうか?実際のところ、今ここで何が起きているのだろうか?

訳注* 昨年末の議会選挙のとき、反政府野党派が地滑り的大勝が明らかになり、政府はこの選挙結果をもみ消すために軍を動かして野党派を武力で鎮圧するのではないかという懸念があった。しかしその予想に反して、パドリノ・ロペス防衛相はマドゥロに対して選挙結果を受け入れるよう求める声明を発表した。

私たちはそれを整理して組み立てているところだ。

今の時点でわかっているのは、ベネズエラの危機が昨夜を境に新しい段階に入ったようだということだけだ。おそらく、今後、事態はより急激に進んでいくだろう。おそらく、最終局面について話すのはまだ時期尚早かもしれない。だが、昨日ほど最終局面を感じさせる事態は今までなかった。

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ベネズエラの防衛大臣に、突如、大統領に匹敵しそうな権力が与えられる」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 左翼運動家が研究すべき国 – ベネズエラ | The Key Questions

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