ベネズエラの悲惨な保健制度とマラリア

ここ数年、ベネズエラではデング熱やジカ熱のアウトブレイクが懸念されていました。ネットでも、これほど多くの人が(薬もない中)病気にかかっているのに、政府がそれを公表しないことを批判したり揶揄する投稿は多く見かけました。マラリアの増加も話題には上がっていましたが、デング熱やジカ熱に比べ批判が少なかったのは、おそらく、ベネズエラ人の多くがマラリアは過去の病気だという認識だったからだと思います。

ですが、先日政府が公表した疫学データによれば、マラリアの件数はデング熱やジカ熱をはるかに超えていました。これについて、メリダの医学生の記事を紹介します。


hosp

疫学に関する公報に隠されていた悲劇

2015年5月11日 Juan Carlos Gabaldón

ベネズエラがどれほど狂っているかを示す指標として、ありふれたことが報道価値をもつようになったことがある。例えば、疫学のデータがそうだ。ベネズエラ以外なら、当たり前のことだが、疫学のデータが公表されても一握りの専門家が気にとめるにすぎない。だが私たちの国、「恵の地(Tierra de Gracia)」では違う。ロイターの記事になる。

しかも、それは実際にニュースなのだ。ベネズエラは公式の疫学データを2015年以来まったく公表していなかった。月曜日の公報は、何年間も念入りに隠されていた痛ましい社会の状況をついに白日の下に晒したのだった。

ただし、記者会見も公式声明もQ&A欄もなかったが。データは最大限目立たない形で「公表」された。小さく「ダウンロード」と記されたなんの変哲もないGoogleドライブのドキュメントを見つけ出すのに、私は保健省のサイトを1時間ほど探し回らなければならなかった。

データ自体は、かなりショッキングなものだった。過去150年の歴史の中でも最悪の経済危機と社会の危機のため壊滅状態にある国が、どんな状況にあるかは想像に難くないだろう。
ひどい…かなりひどい状態だ。

データは2016年の最終週まである。最後には、ロタウィルスによって引き起こされる下痢についての、かわいらしい論評までついていた。ロタウィルスは、国から数ヶ月前にワクチンが完全に姿を消してさえいなければ、ワクチンで容易に予防できるものだ。

ひどいのはここからだ。

ベネズエラでは、蚊によって媒介される病気がここ十数年問題になっている。だが、昨年のはひどいをとうに超えている。デング熱が2万9000件、ジカ熱が5万9348件。これだけでかなりひどいが、マラリアの急増に比べればなんてことない。その数24万613件。これはすでにひどい状況だった2015年に比べ、76.4%の増加である。プエルトカベジョの住民が一人残らずマラリアにかかっていたとして、なお2万件足りていないことを想像してほしい。
(訳注:日本だと2016年の神奈川県茅ヶ崎市の人口がちょうど24万人くらい。)

数字を見て、政府がずっと隠したがっていた理由がわかった。ベネズエラでは、60年前に世界でも最も成功した公衆衛生キャンペーンによって、文字どおり、マラリアは撲滅されたのだ。初めてチャベスがマラリア問題に直面したときは、たったの4万4000件だった。それでも、当時すでに深刻な問題と考えられていた。

確認されたジフテリアのケースは324件。これはマラリアの流行ほど大きな数字ではないとはいえ、ベネズエラがこの完全に予防可能な病気を1992年に撲滅したことを考えると、憂慮すべき数字だ。公衆衛生においてジフテリアはイージーモード。管理すべきなのはワクチンだけだ。ジフテリアすら対処できない保健制度に、他の病気が対処できるはずがない。

疫学者たちは、長年、子どもと妊産婦の死亡率を保健制度の全体的な効果を測る最良の指標としてきた。一般的に見て、これは本当のようだ。1歳未満の赤ん坊の死亡率は2015年比で30.12%上昇しており、合計で1万1466人が死亡している。さらに、756名の女性が妊娠中か産後6週間以内に死亡している。これは2015年比で、67%増というショッキングな数だ。

何か朗報はないのかって?

まぁ、黄熱病やウェストナイル熱は1件もなかった、ということかな。これは良かった。

がおそらく、本当の朗報は保険省がこれらの報告書を再び公表していることだろう。ようやく、だけど。願わくば、定期的に公表してもらいたいものだ。なので、この点はカポラレ大臣に感謝する。でも、そろそろベネズラ保健制度がどれほど効果的かという嘘をつくのをやめて、ちゃんと仕事を始めてはどうだろうか?やるべきことはたくさんある。

 


 

在日ベネズエラ大使館が、「主流メディアが報じないマドゥロ政権の4つの主な成果」の一つに保健をとりあげるテレスールの記事をあげていましたが、当の政府がこの記事がデマであることを証明してくれたようです。

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ベネズエラの悲惨な保健制度とマラリア」への2件のフィードバック

  1. 先日、アメリカ軍が正式に旧ワルシャワ条約機構軍の規格弾薬を使用する機関銃の生産を国内メーカーに依頼する事を発表しました。安価で普及している旧ワルシャワ条約機構軍規格の兵器を使用する支援している国家や反政府組織を支援する際に弾薬の供給でトラブルが発生している為だそうですが実際は、秘密作戦で使用しているシリアルナンバー無しの兵器を中国から輸入出来なく成ったのが大きいようです。また、アメリカ国内で旧ワルシャワ条約機構軍規格の兵器を生産しているメーカーがある事、極秘裏に同条約旧加盟国家で兵器を生産させた作戦でEU圏の国々の不利益に繋がる可能性があった際に外交圧力や直接妨害を受けたケースがありました(これは現在のイスラム系テロリストの武器調達とEU圏各国のテロで正しい判断であると証明されました。)。ベネズエラにとって救いがないのはアメリカ軍特殊部隊は現在軍事顧問派遣に強い意欲を示しておりベネズエラ番コントラが生まれる恐れが出てきました。ベネズエラ政権側も中東諸国防衛技術展示会IDEX2017の中国発表によれば戦車など高額な兵器を輸入したいと打診しているそうで苦しんでいる人々を救うつもりはどちらもないみたいです。

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  2. そのツイートを見て「そりゃ日本にいてマドゥロ政権の成果を語るのは楽だし実害もないから良いよね」としか思えませんでした…

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